2023/04/10

誰もが自由にデータ活用できる組織、不可能を可能にかえるデータの世界

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デジタル社会の進展とともに、データ活用の重要性が増しています。データの収集や分析ツールは開発が絶えませんが、それを活用するのは「人」です。セブン銀行では社員一人一人が積極的にデータ活用をしてもらうための環境整備や意識変革など全社的な企業変革に取組んでいます。コーポレート・トランスフォーメーション部でData Management Office(以下、DMO)の運営を担当する西嵜靖子さんに話を伺いました。

目次

    インフラであるデータを活用するためにDMOを発足

    データをより有効に活用するために、セブン銀行ではどのような取組みを行っていますか?

    西嵜さん:さまざまな取組みがありますが、その一つにDMOの活動があります。DMOは社内の各システムにあるデータをまとめ、必要とする社員や部署が使いやすいようにデータを整備したり、活用するためのデータを積極的に集めたり、活用する上でのガバナンスを整備したりデータに関することをトータルでサポートする目的で作られました。

    バラバラだったデータをまとめて整備するのは大切なお仕事ですが、利用者側がデータにくわしくないと、集めたデータをどう使えばよいのかイメージしにくいですよね。

    西嵜さん:その通りです。そこでデータサイエンティストが講師を務めるデータサイエンスプログラムという研修を開催したり、DMOでコミュニティーを作って具体的なデータ活用の事例を共有したり、「煩雑な業務をどうにかしたい!」などのお困りごとの相談にのるなど、社員全員が「データに親しむ機会」を設け、「相談できる場があるという安心感」を提供しています。

    人材教育に力を入れているのですね。データにくわしい人を増やす背景には、どのような狙いがありますか?

    西嵜さん:データを活用するには、単にITリテラシーが高いだけでなく、ビジネススキルや十分な業務知識が必要です。そのため業務を行う各部署の社員がデータに関する知識を身につけ、自らの業務に組込むことが重要です。データ活用を通じて、自分たちの業務改善や高度化につなげ、さらに、お客さまに新たな価値を提供できるよう、私たちDMOが全社のデータに関するあらゆる窓口になり、「わからないことを気軽に相談できる存在」として、社員誰もがスムーズにデータ活用ができるようサポートしています。

    AIを駆使するデータ活用3つの事例

    データを活用した事例について、具体的に教えてください。

    西嵜さん:ATMに装填する現金運用にAI・データを活用しています。ATMではお客さまがお金を入金したり出金したりしますが、場所によって利用パターンにはバラつきがあります。ATM内のお金が不足したり、逆に溢れることがないように、定期的に業者が出向いて現金の補充や回収をしていますが、その回数が増えると当然コストがかかります。そこでAIを使い、ATM1台ごとの利用パターンと稼働状況を分析し、ATMに装填するための現金センターごとに入出金差額を予測しています。それによって、全国のATMへの現金補充の回数や頻度をコントロールしやすくするような高度な運用を図っています。

    いつも便利に使えるATMは、そんなふうに運用されていたのですね!ATMの運用コストは以前からの課題だったのでしょうか?

    西嵜さん:そうなんです。コストを最小限に抑えつつ、お客さまに決して迷惑がかからないように、ATMには常に一定の現金が保持されていることが不可欠です。これまでもATMの構造や運用の改善はしてきましたが、現在はAI・データを使って更に高度化しています。

    そのほかには、どのような場面でデータ活用されていますか?

    西嵜さん:ATMには操作方法などの照会やお困りごとが起きたときのためのインターホンが備え付けられていますよね。そのインターホンを通じて、お客さまとコールセンターのオペレーターとのやり取りをテキスト化したコメントデータを分析して活用しています。これにより、従来よりも効率的かつ最適にお客さまのニーズやお問合せ傾向の変化を把握できるようになりました。

    そんな取組みも!驚きました。そういえばセブン銀行は海外にも進出していますよね。

    西嵜さん:海外でもAI・データを活用しているんですよ。例えば、インドネシアにも約4700台のATMを設置していますが、新しいATMの設置場所の選定にAIを活用しています。これまでは多くの利用が見込まれる場所を担当者が探し、現地調査を行ってATMを設置していました。しかし設置台数が増加するにつれて、設置可能か判断が難しい場所が増えていました。そこで、現地調査から得られるデータを使って、ATMの利用件数を予測し、設置可否を判断する取組みを始めました。直近では、新規ATM設置台数の約4割程度がAI判断による設置になっています。AI判断により設置台数が増えただけでなく、利用件数も今まで設置したATMと同じ水準になっています。

    お客さまに新たな価値を提供するためには、テクノロジーやデータ活用が必須

    データをさまざまな面で活用しつつ、データに関する社内教育に力を入れていますが、「社員全員がデータに精通する企業」を目指しているのでしょうか?

    西嵜さん:全員がデータサイエンティストを目指しているということではありませんが、データの基礎的なリテラシーはあるというところは目標としています。セブン銀行は、世の中の新しい技術を積極的に取込んで、いいものはどんどん使っていこうという企業です。目まぐるしく進化する世の中に対応しつつ、常に新しい価値を提供するためにはテクノロジーの力が必須。「お客さまの立場で考えること」を根幹に持ちながら、業務効率や新しい商品・サービスの開発を進めるためには、最新のテクノロジーや、データ分析・活用が欠かせません。

    セブン銀行ではデータに強い人材、データ活用に興味がある人材も募集しています。データを使って社会課題を解決したいという方は、ぜひ手を挙げてください。一緒にデータの活用方法を考えましょう。